第189回国会 予算委員会 議事録より
                             第19号 平成27年6月18日 (木曜日)

 いまわが国は、国会・社会ともに、安全保障関連法案の問題で、大変な曲がり角にあります。

 こんな中、柿沢未途衆議院議員が、年金情報不正アクセス問題・安全保障問題について質問するなかで、空襲被害者等に対して戦後補償の法的措置による解決の必要性について質問しました。柿沢議員は東京下町生まれで、あの空襲の悲惨な状況を身近に聴いています。

 
安倍晋三首相は、「・・・これは立法府において、もちろん行政ということもあるかもしれませんが、まさにみんなで考えていく問題ではないか、このように思っております。」と答え、行政も含め、空襲被害者を立法救済するための「議員連盟」などで大いに議論しなさいといっています。

 空襲等民間戦争被害者への救済・援護法に希望がもたらされます。
            
                              
東京空襲遺族会 西沢俊次                        

クリック 柿沢議員の質問と安倍首相の回答個所 (youtube)

        衆議院189回国会 予算委員会 第19号(平成27618日(木曜日))
            ↓↓ 以下、「議事録」から該当部分を転載します。 ↓↓

 
Q 柿沢委員

  ・・・・・・もう一点、戦後七十年に当たって、一つ、安倍総理にお伺いをしたいことがあります。

  かつて、この予算委員会で、日本の木の文化についてお尋ねをしたことがありました。私の地元の江東区の深川の町について、江戸時代から続く材木屋さんの町だと。ちなみに、私の後援会長さんも材木屋さんなわけですけれども。東京オリンピック・パラリンピックの際に、木造の競技施設をつくって、そして世界に木の文化を発信しよう、こういうことをこの予算委員会で申し上げたことを覚えておられると思います。

  七十年前に、この木の町深川が、それゆえに狙われて、言葉にならない地獄絵図の舞台となったことがありました。昭和二十年三月十日、東京大空襲です。

  寝静まった町をB29の編隊が襲って、何の罪もない民間人を焼夷弾の雨で焼き払った。火炎地獄の中で逃げ惑って、炎の中で、吹き荒れる嵐のような風に吹き飛ばされて、みずからの兄弟が、肉親が、大切な人が焼かれていった。翌朝、黒焦げになった子供の遺体に覆いかぶさるように黒焦げになっている、母親なんでしょう、その折り重なった遺体を見た。町の古老にこういう話を私は町の中で聞くことがあります。結果として、一夜で十万人という人が命を落としています。

  今、国会では安保法制の議論をしておりますけれども、東京大空襲を知る深川のお年寄りからは、いいか、あなたも安倍総理も戦後生まれで戦争は知らないんだ、戦争は絶対に二度としてはいけないんだと、強いまなざしで言われることがあります。

 東京大空襲だけではなくて、戦争末期には、全国の都市が無差別の空襲を受けて、多くの民間人の人命が失われております。そして、親兄弟を失い、ひとりぼっちになって、戦後の焼け野原で生き抜いてきた被害者や遺族には、軍人軍属と違って、国はいまだ、その筆舌に尽くしがたい苦しみに対する国としての補償措置を何ら講じておりません。

  全国空襲被害者連絡協議会の星野さんという方のお話が、私は耳から離れない。

  「柿沢さん、空襲で死んだ私の身内は、お墓は空っぽなんです。遺体はそのまま埋められて、そこは公園になっているんです。私は、公園に手を合わせて、そして空っぽのお墓に手を合わせているんです。遺骨のない空っぽのお墓に、せめて遺骨のかわりに入れられるような何かがいただきたい、それだけなんですよ。」

 こういうお話をお聞きしました。その星野さんも、もう八十四歳になられています。

 シベリア抑留者への補償の問題も立法措置により解決をし、今や、この空襲被害者の問題が最後に残された戦後補償とも言えるものになっています。裁判所からも、立法措置による解決というものを判決で示唆されている。

 安倍総理は、ことしの三月十日、東京大空襲の犠牲者を追悼する慰霊法要に歴代総理として初めて御出席をされ、両国の慰霊堂で手を合わせていただきました。この問題に深い思いをいたしておられる、そういう総理だと思っています。だからこそ、この戦後七十年、お願いをしたいというふうに思っています。空襲被害者の遺族、子供や兄弟姉妹、こういう皆さんに対して、希望者に、弔意やお見舞いに当たる金品、品物で私はいいと思いますが、そうしたものを国から贈呈する、過大な予算措置が生じないように留意をしながら、法的措置による何らかの決着を講ずべきではないかと私は思います。私は、安倍総理だからこそこのことを決断できるのではないかと期待しています。

  最後の戦後補償の解決をどうお考えになるか、安倍総理に御答弁いただきたいと思います。


 A 安倍内閣総理大臣

 今委員に御紹介をいただいたように、ことしの三月十日に、総理大臣としては初めて東京大空襲の慰霊法要に参列をいたしたところでございます。随分お年を召した方々もたくさんの方々が参列をされていたわけでございますが、東京大空襲だけではなくて、全国において空襲が行われ、多くの方々が命を失われたわけであります。さきの大戦においては、何らかの形で、日本人総じてさまざまな被害を受けたのであります。その中で、空襲によって命を失った方々、あるいは、兵役の義務の中において国の命令によって命を落とした方々等、たくさんおられます。シベリアの抑留者の方々もおられた。そういう方々について、順次補償をしてきたわけでございます。

 その中で、空襲によって命を落とされた方々に対してどのような対応をすべきかということについては、超党派の議連における熱心な御議論があることは私も承知をしております。皆様からもお話もいただきました。そういう皆様からの御要望も承りながら、ことし三月、慰霊祭にも参加したところでございます。

  ここは、さきの大戦におけるいわば被害、あるいは国民の命が失われたことに対してそれぞれどのように対応していくかということについては、まさにこれは国会においても十分な御議論をいただきたい、こう思う次第でございまして、これは立法府において、もちろん行政ということもあるかもしれませんが、まさにみんなで考えていく問題ではないか、このように思っております。


 Q 柿沢委員 
 思いは感じましたが、しかし、結論部分はちょっと歯切れの悪い形になりました。

 実は、超党派の議連があるというふうにおっしゃられましたが、残念ながら十分な形で組織できておりません。それは、ちょっとここで言うのはなんですが、与党の先生方の間でなかなかこの問題に関する賛同が広がらない、こういう状況があるからです。ぜひ、安倍総理、自民党総裁として、この問題を立法によって解決する。戦後七十年、皆さんやはり八十代になっています。そういう意味では、時間がありません。お気持ちを持ってくださっているということであれば、ぜひ、この前進に向けて少しでも後押しをいただきたい、こういうふうにお願いをしたいと思います。

 あえて、委員長にもお願いをしたいと思います。よろしくお願いします。

  では、年金個人情報のデータ流出問題に移ります。・・・

                      転載終り